伊那市の老松場古墳群に南信最古の前方後円墳

LINEで送る
Pocket

老松場古墳群の1号墳で発掘された「粘土槨」の埋葬施設

伊那市教育委員会と関西大学文学部考古学研究室は27日、同市東春近の「老松場(ろうしょうば)古墳群」の第4次調査で、1号墳が南信地方最古の前方後円墳であることが分かったと発表した。これまでの調査に加え、木棺を粘土で覆う「粘土槨(かく)」の埋葬施設が見つかったことから、5世紀前半に造られたと確認。未盗掘の可能性が高く、「副葬品が当時のまま残ることも期待できる」としている。

1号墳では、粘土槨が良好な状態で残っているのが見つかった。発見は南信地方で初めて。木棺を粘土で覆うことで、老朽化を防ぐ役割があるという。同研究室によると、前方後円墳の形状から、近畿地方の大和政権とのつながりを示す重要な古墳であるとし、「副葬品が出土すれば、当時の役割や年代の特定につながる」と期待する。

2号墳については、盛り土の直径14・5メートル、高さ1・3メートルの円墳であることが分かった。須恵器(すえき)や土師器(はじき)の破片が80点以上出土。遺物の特徴から5世紀後半ごろの築造と推定した。1号墳と同じく墳丘を覆う「葺石(ふきいし)」も見つかり、帯状に敷いて盛り土の流出を防ぐほか、敷き詰めて装飾に使われたと報告した。

27日に現地説明会が開かれ、同研究室の米田文孝教授(68)は「政権との関わりを具体的に表す資料であり、歴史を明らかにできる成果」と話した。

古墳群は7基からなり、これまで6世紀半ばから8世紀初めにかけて築かれた古墳とされていた。調査は2017年から3カ年計画で着手したが継続。8月5日から9月27日まで第4次調査を実施した。

おすすめ情報

PAGE TOP