伊那市長谷の鹿対策実証 新たな捕獲法で10頭

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林野庁中部森林管理局(長野市)は1日、伊那市長谷の国有林で行ったニホンジカ被害対策に関する報告会を市長谷総合支所で開いた。林道沿いの複数箇所に餌をまいて鹿をおびき寄せ、車で移動しながら猟銃で仕留める「モバイルカリング」と呼ばれる新たな捕獲方法による成果について報告。鹿による食害が深刻な南アルプスでの対策に生かしていく考えだ。

モバイルカリングは、移動(モバイル)と計画的な個体数調整(カリング)を組み合わせた造語。南信森林管理署(伊那市)管内では初の取り組みで、民間会社の野生動物保護管理事務所(東京都町田市)が、林野庁の森林鳥獣被害対策技術高度化実証事業の委託を受け、浦国有林の西風巻林道と三峰川林道の2ルートで実施した。

昨年10月15日から、干し草を5センチ角のサイコロ状に固めた市販の餌をまき始め、同11月4~6日と10~12日の計6日間、地元猟友会員が射手となって車から猟銃で狙った。この結果、成獣8頭(雄2、雌6)と幼獣2頭の計10頭の捕獲に成功した。

ただ、捕獲頭数は予想より少なかったという。猟を行う日中に鹿の出没数が少なかったのが要因で、山に雪がなく、餌を求めて下りてくる鹿が少なかったためとみられている。捕獲頭数を増やすためには、積雪期や春先の残雪期での実施や誘引期間の延長が考えられるとした。

同社の奥村忠誠さんは「環境省などのデータから冬に鹿が集まる越冬地とみてルートを選定したが、やや見込みが外れた。降雪量の影響のほか、個体数自体が減っている可能性もあるが、情報が少なく、この結果だけでは分からない」と話した。同事業は今年度で終了する。

同森林管理局は「それぞれの地域に合った手法が必要であり、今回の結果も踏まえて効率的な捕獲を検討していきたい」としている。

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