無人機で山小屋へ荷揚げ 伊那市プロジェクト

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伊那市は5日、無人垂直離着陸(VTOL)機による山小屋への荷揚げの実用化を目指すプロジェクトについて、川崎重工業(東京)と委託契約を結んだと発表した。先端技術を活用して地域課題の解決を図る新産業技術推進事業の一環。今年度から3年間の計画で、同社が開発中のVTOL機を使い、飛行ルートの構築や法令に基づく許認可手続きなどを含めた輸送システムの確立を図る。

市によると、山小屋への荷揚げは現在、ヘリコプターに頼っているが、送電線工事や公共事業の増加、パイロット不足などから事業者の確保が難しくなっている。天候に左右されることもあり、安全で安定的な輸送システムの確立が課題だった。

VTOL機は小型無人機ドローンを大型化したような機体で、ドローンより重い荷物を高速で運ぶことができる。同社が開発中のVTOL機はエンジンで駆動し、100キログラム以上の荷物を運ぶことが可能。継続航行距離は100キロメートル以上、上昇能力は2000メートル(標高耐性3100メートル)としている。

プロジェクトでは、中央アルプスの西駒山荘、南アルプスの仙丈小屋、塩見小屋への荷揚げを想定。山岳特有の気象状況や標高差に適応し安定して飛行できるVTOL機を使った物資輸送のための飛行ルートの構築を目指し、山岳の気象状況や地形に応じた運航システムや通信回線の確立、緊急時の対応、航空法関係の手続きなどの課題に取り組む計画だ。

地方創生の観点から取り組む、未来技術を活用した新たな社会システムづくりの全国的なモデルとなる事業として国の地方創生推進交付金(Society5・0タイプ)の採択を受けて実施。同様の課題を抱える全国の自治体や関係団体などへの水平展開も期待されている。

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