ミヤマシジミ保全 飯島で住民組織発足へ

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町役場駐車場の土手で管理されるコマツナギに止まるミヤマシジミ

飯島町に多く生息する絶滅危惧種のチョウ「ミヤマシジミ」を保全しようと10日、実際の生息地管理から意識啓発、次代を担う子どもたちの環境教育まで幅広く担う住民組織が発足する。町役場で午前9時から設立総会を開き、目標や活動内容、組織の名称などを決め、さらに会員を募りながら取り組みを進める。

東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程3年の出戸秀典さんが住民に組織の発足を呼び掛けて、関心がある約40人が賛同。ミヤマシジミの餌となるマメ科のコマツナギを下草管理の中で守る取り組みを行っている農家から、生物に関心がある人までさまざまな人が集まった。

出戸さんの所属する同研究科宮下直教授の研究室は、2016年から町内でミヤマシジミの調査を開始。18年には研究科、町、JA上伊那の3者で保全に向けた相互連携協定を締結した。

今年4月には協定を更新。新たに活動指針「アクションプラン」を設け、保護区の設定やボランティアの育成などを推進し、自然共生のモデルタウンを目指すことを確認している。

6月に町生涯学習センターが開いた講演会で、出戸さんは今までの研究成果を発表。「間違いなく町は国内最大のミヤマシジミの生息地。自然共生の農業を営んできたあかしで町の宝」と訴え、住民組織立ち上げの考えを明らかにして参加を求めていた。

一円玉ほどの大きさのミヤマシジミは鮮やかなオレンジ色の帯が特徴。年に何回も世代交代し、飯島町では成虫が6~10月末頃に3~4回発生する。研究室の調査では、アリとの共生関係や農地の草刈りが保全に影響を及ぼす可能性などが分かってきた。

「守っていくためには長期のモニタリングが重要」と出戸さん。発足する住民組織では観察会を数多く開き、生物の多様性について意識を高めてもらう考えで、「さまざまな人にいろいろな形で関わってもらえれば」と期待する。

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