石工・貞治の足跡探る 高遠美術館

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ライトアップされた建福寺の石仏

ライトアップされた建福寺の石仏

一般財団法人高遠石工研究センターは22日、石工の守屋貞治(1765~1832年)の写真展を開いている伊那市高遠町の信州高遠美術館で「石仏トーク」を行った。郷土史家の田中清文さんと同センター事務局長で映像作家の熊谷友幸さんが貞治や祖父の貞七、弟子の渋谷藤兵衛が残した石仏を解説した。夜には貞治の最高傑作とされる建福寺の三十三所観音をライトアップした。

田中さんは貞治について「修行時代に貞七の仕事を見て技量と気迫を感じ取った。生涯333体の石仏を残した貞七を目標に、336体を残した。手にとって教えてもらったわけではないが貞七が心の師匠だった」と述べた。

熊谷さんは貞治が生きた時代背景を「コレラやチフス、天然痘などで多くの人が亡くなり、手良だけで700人が死んでいる。高遠藩の財政はひっぱくし、石工を全国に行かせて稼がせた。石工たちは巡礼する心でこたえた」と話した。

中川村に残る貞治作とされる青面金剛像について、田中さんは「足の踏ん張り、親指と小指で法輪をはさむ持ち方から貞治の石仏とされる」とし、熊谷さんは「川に流されたと記録に残り、貞治に再建をお願いしたのでは」とそれぞれ推察を話した。

建福寺では保護のための格子を外し、柔らかな光を当てて、貞治の特徴とされる温和な表情をした石仏を夜の闇に浮かび上げた。

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