2021年10月13日付

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伊那市の伊那北高校を明確に認識したのは3年前。当時飯田市内の中学校3年生だった長女から「Aちゃんが担任の先生に伊那北高校を勧められたって」と聞いた時だった。Aちゃんは長女の級友で学年一の秀才。高校進学の選択肢として校名が挙がったという。一方私は昨年伊那へ転勤となり同校担当になった。折しも創立100周年の節目と重なった▼伊那北高校の前身、旧制伊那中学校は1920(大正9)年に開校した。だが、実現までには明治期から40年を費やす。設置場所をめぐる地域間抗争や莫大な建設費の地元負担に起因した計画断念など、地元住民は幾度となく辛酸をなめた▼今年、同校の記念事業実行委員会は目玉事業として百年史「たぐへて行かむ」を発刊した。開校までの悲願の歴史はそこに詳しい。百年史は構想と執筆に9年を掛け、同窓生44人が携わった。編さん委員長の山口通之さんは「地域の歴史の観点で、学校設立に迫る経緯をしっかりと書き記したかった」と振り返った▼百年史には各分野の第一線で活躍する同窓生のコラムや寄稿、文武両道の精神を受け継いだ生徒の青春模様を網羅し、読み物としても楽しめる▼県教委の高校改革で、伊那北高校は伊那市の伊那弥生ケ丘高校と再編統合になる。現在、新校設立に向けて地元の意見を聞く懇話会が続く。次の歴史の原点を決める重要な会議。活発な議論を期待したい。

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