3Dプリンターで「普賢菩薩騎像胎内仏」

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パソコン画面を見ながらハンディースキャナーで胎内仏のデータを読み取る市川教授

パソコン画面を見ながらハンディースキャナーで胎内仏のデータを読み取る市川教授

諏訪市四賀の佛法紹隆寺は所蔵する「普賢菩薩騎象像」の中から発見された胎内仏「菩薩像胎内入仏」の複製を作る。製作を依頼された諏訪東京理科大学工学部の市川純章教授(47)が23日、3Dプリンターを使って作る2体の複製像のデータ化の作業を同大学で行った。一つは同寺で保管し、もう一つは研究用に使う予定で、10月8日から公開する。

同像は諏訪大明神として鎌倉時代に造像され、その後織田信長軍の兵火によって失われた。1593年に作り直され、1868年の神仏分離令で普賢堂が取り壊される中、信仰心のあつい住民らが運び出したとされる。この際に付いた傷などを修復するため昨年6月に県内の仏師により解体修理が始まり、今年3月に完了した。

修理を進めていた昨年末、像の中に胎内仏が発見された。同寺では胎内仏を像の中に残し、本来の姿にすることで後世にも像の由縁などが伝わり、胎内仏の紛失も防げるとして像の中に戻すことを決めた。その一方で、胎内仏を公開することで、諏訪の信仰の理解の一助になればと複製を作ることにした。

この日、岩崎宥全(ゆうぜん)副住職(38)が現物の胎内仏(高さ約2.8センチ)を大学に持ち込み、市川教授がハンディースキャナーで立体のデータを読み込んだ。今後、木質樹脂や石こうなど適した素材を選び完成を目指す。ハンディースキャンのほかにも像を写真で撮影して3Dプリンターで作る手法にも挑戦するという。

市川教授は「スキャンする加減などが難しかった。完成した複製像は手に触ることもできると思うので楽しみ方が広がる」と期待。岩崎副住職は「レプリカではあるが、像を視覚的に分かりやすく伝えることができると思う」と話していた。

同寺は10月8日午後1時から修復記念特別祈願法要を執り行い、胎内仏を再納入する。続いて、諏訪市文化財審議委員長の松下芳叙さんや飯田市美術博物館学芸員の織田顕行さんの特別講演会を開く(拝観料や参加費は無料)。また、同日から11月23日まで普賢菩薩騎象像を特別公開する。複製した像も一緒に展示する。拝観料は300円(高校生以下は無料)。問い合わせは同寺(電話0266・52・2241)へ。

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