2021年10月19日付

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5分や10分ならさほど気にならなかったかもしれない。体験セミナーだと分かっていても、窮屈な空間で7時間も過ごせばいろいろと問題が出てくる。例えば座布団がないとお尻が痛い。寄りかかる壁も欲しくなる。参加者たちにこうしたことに気付いてもらうことも主催者の狙いの一つだったようだ▼防災体験セミナーの会場は屋内運動場で、人工芝の上にブルーシートを敷いて滞在場所を作っていた。1家族に用意された避難スペースは幅2メートル、奥行き2・5メートル。子ども2人を連れた夫婦は仕切り板を立てて区切った空間で寄り添うようにしていた▼大規模災害を想定した避難生活を7時間にわたって体験するプログラムで、避難スペースを自分たちで作り、家族ごとの空間で過ごした。避難所に熱源がないことを想定し、夕食には水だけで調理できる保存食を食べた▼避難所運営ゲームでは想定される多様な場面への対応を考える訓練をした。主催する伊那青年会議所の担当委員長が「災害のときにはきっと同じことを考える。ここで経験したことで実際の場面では対応が違ってくる」と言っていたが、その通りだと思った▼「少しの時間過ごすだけならいいけれど、ここで4人が寝るとなると難しい」とか「高齢の人には脚が伸ばせないとつらいと思う」という感想は体験したからこそ出てきたものだろう。じゃあどうする―と考えることが備えになる。

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