渋沢栄一直筆の書 岡谷蚕糸博物館へ寄贈

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岡谷蚕糸博物館に寄贈された渋沢栄一の直筆とされる書を見る平林さん(左から2人目)夫婦と小口住職(同3人目)

日本の近代経済社会の礎を築いた渋沢栄一の直筆とされる書が18日、岡谷市の岡谷蚕糸博物館に寄贈された。論語の一節「思無邪」(思いよこしま無し)と、栄一の号「青淵(せいえん)」が記された書。所有する諏訪市大手の自営業平林一孝さん(72)と同書を一時、保管展示していた諏訪市岡村の法光寺の小口秀孝住職(70)が同日、寄贈に訪れた。
 
平林さんの祖父のいとこが嫁いだ長地村(現岡谷市)の「丸九渡辺製糸場」が所有していた書。いとこが祖父母夫婦と深い親交を持っていた縁で平林家が譲り受けた。長年大切に保管していたが、栄一が主人公のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の放映を機に自宅で飾っておくのは「宝の持ち腐れ」(平林さん)と考え、菩提(ぼだい)寺の法光寺に依頼して3月から寺に飾っていた。

寄贈は、諏訪地方や岡谷の製糸業と栄一の関係を報道などで知った小口住職が提案した。もとは同市の製糸工場が所有していたことからも「絹糸で結ばれた縁で再び岡谷の地へ来た。この地と渋沢栄一の深い縁を理解し、栄一をより身近に感じてもらえるのでは」と期待。平林さんも「納まる場所に納まった。目に付く所に飾り、有効に使ってほしい」と喜んで寄贈した。

書は額を含めて横約195センチ、縦約70センチ。小口住職によると、書の論語は「正しい心で邪悪な念がなく、心情をありのままに表し、少しも飾らない」との意味。髙林千幸館長は「素晴らしい書を寄贈いただいた。字の力強さなどに栄一の人格が浮かんでいる」と感謝。館内の多目的スペース「きぬのひろば」での展示を検討している。

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