2021年10月20日付

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「長野県のソウルフードも堪能しました」。数年ぶりに仕事で県内を訪れたと知人からメールで報告があった。東京出身の彼なりにご当地色をアピールしたのだろうが、添付された写真にはおやきの断面。違和感はあったが、やぼな反論は控えた▼日本では魂や精神を意味する「ソウル」から派生し、全国各地で親しまれている料理の意味で用いられるソウルフード。おやきの文化圏は東北信地域が中心だ。東西約120キロ、南北約212キロにおよぶ県内をカバーするには力不足に感じる▼旅行情報誌「じゃらん」が今月発表した「全国発売してほしい!ご当地パンランキング」で県発祥の牛乳パンが6位に入った。私自身も学生時代から親しんできた味。飾り気のないパンがここまで注目を集めるのは驚きだが、県民にとっては当たり前のソウルフードと言えるだろう▼「牛乳パン生みのまち」を宣言する駒ケ根市では今月9日、「秋の牛乳パンまつり」が開かれた。県内10店舗の牛乳パンを一堂に集めた物販イベントで、用意した550個はわずか30分ほどで完売した。「生活には欠かせない」。そう言い切る来場者もいた▼近所のスーパーで久しぶりに購入した牛乳パン。学生時代を思い返して、長方形のパンを頬張ってみると口いっぱいに懐かしい味が広がった。変わらないことも魅力。口元に付いたクリームを指で拭いながら、そんな思いを強くした。

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