2021年10月27日付

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選挙情勢が「風」に例えられることは多い。ある候補の演説に多くの有権者が集い、事務所に活気があれば「追い風」。対立候補にとっては「向かい風」となる。報道機関が行う世論調査の結果に「風」を感じる人もいるだろう▼コロナ禍で風は身近な存在になった。換気のために窓を開ける。風が部屋を通り抜けていくように、出口の窓も開けておく。机の書類を巻き上げる強風もあれば、かすかに頬に触れるそよ風もあった。風は見えないが、風向きや風速から存在を感じ取ることはできる▼風を推進力に変えるセーリング(ヨット)では、向かい風に「不利」というイメージはない。ヨットは風に対して左右45度の範囲は帆走できない乗り物だが、山頂へ続くつづら折りの登山道のように方向転換を繰り返せば、逆風であっても目的地にたどり着くことができる。この風と帆を操る技術で人類は行動範囲を飛躍的に拡大した▼衆院選は31日の投開票に向けて論戦が激しさを増す。自然でも政治でも風は常に揺れ動き、右に振れ、左に傾く。船首が目的地と違う方角を向いていても、風の変化に合わせて方向転換したら「ゴールに一直線」なんてことがある。風を読む重要性は選挙もヨットも同じだ▼追い風は1人乗りヨットが最も「不安定」になる時。油断するとバランスを崩して転覆する。風は国民の声です。候補の皆さん、くれぐれもご注意を。

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