2021年11月3日付

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高くてもビールは山小屋で買うことにしている―。数年前、一緒に登山した友人が話してくれた。山や登山道の安全を保ってくれる山小屋に少しでも協力したいからだという。彼にならい、リュックに缶ビールを押し込み山に登るのはやめた▼苦労して登る山。できれば山頂近くの山小屋に泊まり、ビールや星空とともにゆっくりと非日常の天空の時間を楽しみたい。ただご時勢もあり、昨年からは日帰りできる山を選んでいる▼この秋は八ケ岳連峰の北と南の端にある蓼科山と編笠山に登った。ガイド本には初心者向きと案内があったが、丸みのある穏やかな山容の割に急登の部分があったり、山頂付近は岩場になっていたりと予想以上に骨が折れた▼編笠山で立ち寄った山小屋に募金箱が置かれていた。コロナ禍による経営難で登山道整備が十分にできないとし、協力を求める文章が添えられていた。ビールを飲むわけにはいかないので、記念に集めているバッジを買い求め、少しだけ募金もさせてもらった▼近年は富士山などで協力金制度が導入され、静岡、山梨両県は税金化の方針を固めた。県内でも県がクラウドファンディングを行ったほか、北アルプスでは寄付金を募る実証実験が行われた。安心して登山ができる環境を誰がどう守るのか。このコロナ禍を機に議論が進んでほしい。ともかく来シーズンこそは、山小屋でビールと星空を楽しみたい。

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