2021年11月5日付

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元宇宙飛行士のマイケル・コリンズさんの語録にある。もし詩人や哲学者を宇宙飛行士にしていたら、宇宙船は宇宙にはたどり着けなかったであろうと。アポロ11号が人類初の月面着陸を成し遂げた際、司令船を操縦したその人である▼「もし」を想像してみる。よく星をうたった石川啄木が、あるいは汎神論を説いたスピノザが宇宙体験をしたのなら、神秘の世界に目を奪われて任務どころではないだろうが、科学者や技術者とは違った言葉と表現で、宇宙での内的経験を語ってくれたであろうと▼青い地球を眺めながら言葉をつむぐ表現者たちの姿を見られるだろうか-と、空想しながら読んだ記事がある。今秋、13年ぶりに宇宙飛行士を募集する予定の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が応募の条件を見直し、理系だけでなく文系にも門戸を広げるという▼月面基地や火星への有人探査など、このところ見聞きする世界の宇宙開発計画には目を見張るものがある。宇宙へ進出する新たな「大航海時代」を迎え、宇宙飛行士にも多様な人材の確保が求められるという。宇宙飛行士という呼び名すらなくなるのかもしれない▼民間人だけで地球を周回した米スペースX社の宇宙旅行の報道に接し、ひょっとして自分にも可能性が…としばし考える。なんの素養も資金もないことを再確認。そもそも飛行機すら怖いし。やっぱり無理ですよねぇ。コリンズさん。

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