2016年09月26日付

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リオデジャネイロで開かれていたパラリンピック。陸上男子走り幅跳び(片足下腿義足)で、ドイツの選手が8メートル21を跳び、直前のリオ五輪の優勝記録に17センチと迫った。男子1500メートル(視覚障害)では、上位4人の記録がリオ五輪優勝者を上回ったそうだ▼走り幅跳びは義足として装着するブレードの推進力が指摘される。1500メートルはレースの駆け引きによってタイムが大きく変わる種目だという。記録の単純な比較はできないということだろうが、同じ競技であることを考えればすごいと驚くしかない▼初めて本格的な障害者スポーツに接したのは、1998年の長野冬季パラリンピックだった。「スレッジ」と呼ばれるそりを使うアイススレッジホッケーを見て、その激しさに心揺さぶられた。椅子に座った状態で滑るチェアスキーには、巧みで鮮やかなターンに見とれた▼障害者のスポーツが、健常者よりもレベルが劣るという思い込みが覆された機会でもあった。リオ大会ではテレビ観戦を通じて多様な種目を知り、選手たちの鍛え上げられた力と技、研ぎ澄まされた感覚にまた驚かされた▼障害者スポーツのすごさをさらに挙げれば、失ったものでなく、残されたものに目を向け、それを最大限に生かす精神力だろう。4年後には東京で五輪顔負けの競技が見られる。今度はテレビでなく、選手の息遣いまで分かる生で観戦したいと思いを強くした。

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