2021年11月10日付

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何をするにも必要なのは、思考力や発想力だと思う。考えることは、社会や物事をつくる原点だからだ。そして同じく欠かせないものがある。行動力である。先日、有志団体が独自の企画アイデアを結実させる場面に立ち会った▼「寺子屋シアター」プロジェクト実行委員会はおととし、辰野町で産声を上げた。地元ゆかりの人物を題材に市民演劇を行って歴史文化を発信し、町を好きになる人を増やそうと掲げる。会場は寺院で、昔ながらの交流拠点の価値を見直す狙いも。これは面白いと胸が高鳴った▼ところが世はコロナ禍で、昨年初公演が中止の憂き目に遭う。そこで彼らは行動力を示した。木材でスクリーンを組み、車中からDVDで観劇する代替イベントを開いて「来年こそは公演する」と思いをつないだ。「資金はないけれど、熱意はある」。取材ノートに記した代表の垣内彰さんの言葉が力強い▼アイデアに行動が伴えば人の輪が広がる。プロジェクトは春に再始動。公演では、公募で集まった幅広い世代の劇団員が満席の高徳寺本堂で情感豊かに演じ、観衆の心をつかんでみせた。続編に期待の声も出る大団円だった▼あれをやってみたいと語るのは簡単。でも行動を起こさずして思いは形にならないことを、われわれは忘れてはいまいか。アイデアを実現する素晴らしさを教えてくれた彼らに感謝しつつ、自ら行動する人でありたいと願う。

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