2021年11月14日付

LINEで送る
Pocket

取材から戻ってカメラバッグを開けると、黄色の葉っぱが1枚紛れ込んでいた。大きなイチョウの葉だった。強風で無理やり枝から切り離されてしまったのだろうか。まだ緑色の気配を残していて、黄緑色と言った方がいい染まり具合だった▼今年は紅葉も黄葉もいつもより鮮やかに見えるような気がする。新型コロナの感染警戒レベルが下がり、気分的に景色の見え方が変わっただけかもしれない。そういえば今年は桜も鮮やかだった。春の色がいつもよりきれいに見えたのはコロナ禍の閉塞感で希望の光を求めていたせいでもあった▼落葉樹と呼ばれるような木々の葉が色を変えるのは冬支度の始まりなんだそうだ。緑色の葉っぱに貯めていた栄養分を枝や幹に移し、その過程で葉の色を変える。やがて、葉を落とす。ハラハラ舞い落ちる木々の葉には寂しさを感じるが、冬越しのために自ら葉を落としていると聞けば見方も変わってくる▼木々の葉の美しさばかりに気を取られていたが、見回せばナンテンの実がもう赤い。冬はすぐそこで、2021年もあと1カ月半しか残っていない。日めくりが薄くなっているのを見て慌てている▼境内に大イチョウがある寺の住職が「霜が降りると、一気に葉を落とす」と話していた。風が冷たくなってきた。根元に黄色のじゅうたんを広げたら、見に行ってこようと思う。冬越しのためのスイッチを入れてきたい。

おすすめ情報

PAGE TOP