2021年11月17日付

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かなり余裕があってもなかなか手を付けない。もう後がないところまで来てようやく取り掛かり、締め切りぎりぎりで原稿を仕上げる。自分を含め、これまで見てきた多くの新聞記者の生態だ▼なぜ計画的に早く着手しないのか。分かっていたことではないか―。その度にお小言を言われても、先に予定が入っている、今はほかに優先すべきことがある―など、何かと理由を付けて先へ先へ。期限直前になって思い出し、慌ててキーボードをたたきだす▼近年の気候変動や災害を見ると、先送り体質は記者に限らないのではと感じる。2015年に合意したパリ協定は、気温上昇を産業革命前から1.5度までに抑えるよう求める。各国が対策を進める姿勢を示す一方、昨年は二酸化炭素の世界平均濃度が過去最高となった▼英国を会場に開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。パリ協定成立に尽力したとされるオバマ元米大統領は、将来の気候変動の回避へ「必要な段階に全く到達できていない」と各国の取り組みを批判。将来を担う若者に「怒りを持ち続けて」と気候変動と闘うよう呼び掛けた▼今回の会議では「最後のチャンス」という言葉がよく使われた。もはや経済や政治など、ほかに優先すべきことが―と言っている段階ではないということか。私たちにも転換や覚悟が求められる時がくるだろう。締め切りは迫っている。

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