2021年11月18日付

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氷点下近くにまで冷え込んだ朝、車のフロントガラスはいてつき、水たまりには薄氷が張っている。学校へと足早に向かう子どもたちの吐く息が白く空中に漂う光景を目にし、「また寒い冬がやって来る」と、心の中でつぶやく声が聞こえてくる▼冬が嫌いなわけではない。むしろ好きな季節なのだろう。「寒いのを除けば」の話だが。しんしんと雪が降る夜、周囲の音を雪がかき消し、静寂に包まれながら一面が白銀へと変わる光景は、昔から好きな冬の場面の一つだ▼車のタイヤを扱う店によると、かつては11月中旬ごろを長野県の初雪の時期と予想し、販促の準備を進めていたのだという。どうやら近年は初雪の便りも遅れてやって来るようだが、「まだ雪は降らないだろう」と高をくくっていると、急な降雪でタイヤ交換のためガソリンスタンドへと駆け込み、出社時間に遅れる羽目に▼寒さの質も昔と今では違っている。肌がひりつく寒さは近年記憶にない。かつて少年少女の多くは寒さゆえに毛細血管が切れて頬を赤くしていたのだが、いま周りを見渡しても頬の赤い子はほとんどいない▼今年はラニーニャ現象が発生したと聞く。現象が発生した年は日本は厳しい寒さや大雪になることがあるという。冬が書き入れ時の商売にとっては寒さや雪は欠かせない。やはり「冬は冬らしく」が一番。寒さを耐えれば春の訪れはよりうれしいものになるのだ。

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