2021年11月20日付

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海なし県の信州。県内からの海水浴客が多い新潟県の上越地方は「信州の海」と言われるが、諏訪地方で人生の大半を過ごしてきた自分にとって海と言えば静岡県の海である。小学校の修学旅行も伊豆だった。地引き網やトンボロ現象の堂ヶ島。ごた騒ぎして叱られた宿での夜も思い出である▼山梨の韮崎から清水に向かって国道52号を進む。友人がいた朝霧高原を経由して沼津に行ったこともあるが、県境はどちらもカーブの連続だ。近いようで遠かったのが静岡の海である▼8月末に中部横断道の静岡と山梨を結ぶ区間が全線開通して以降、諏訪地方で静岡ナンバーの車が増えている。個人的には”縦断道”のような気がするのだが、それはさておき、富士見町での取材でも「私たち、清水からです」という何組かの観光客にお会いした。コロナ下でマイカーの旅が主流になっているのも追い風であろう▼「清水を出たのが午前8時前でしょ。1時間半ぐらいかな」と50代夫婦。自分はまだ全線開通の横断道を利用していないが、1時間半で信州人お決まりの「海が見えたー」と叫べるのかと思って興奮してしまった▼取材の中で微力ながら観光案内をするのだが、「冬の信州もいいですよ」と勧めたところ、「冬用タイヤ持っていないんですよ」。では私が冬の静岡に行きます―。こんな会話を交わし、県民同士の距離が近づいた気がしてうれしくなった。

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