高齢者の運転免許 自主返納が増加

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少子高齢化が進む中、諏訪地方では運転免許証を保有する65歳以上の高齢者の割合が増加しているのに伴い、高齢で運転が難しくなるなどの理由で運転免許証を自主的に返納する高齢ドライバーも年々増えている。一方で返納後の「生活の足」を心配する声もあり、足の確保が課題となっている。

諏訪、茅野、岡谷の3署によると、免許証の保有者数は2010年で14万1043人、このうち高齢者は2万9894人(21・2%)。15年になると全体の保有者数は14万26人と微減だが、高齢者は3万8460人(27・5%)と5年間で8566人増加した。

高齢者の免許返納者数は11年が132人、15年になると400人と約3倍に増え、このうち75歳以上は7割近くを占める。

「高齢者自身が体の衰えを自覚し、運転する危険性をしっかり認識していることで、返納者数が増えたのでは」。諏訪署交通課の今溝隆課長はこう分析し、「返納した場合、行政のサポートがあることも増加の一因にある」と行政の対応も挙げる。

免許返納者に対する行政などの優遇サービスとして、諏訪市ではかりんちゃんバスの回数券を交付したり、岡谷市ではシルキーバスの回数券を交付。下諏訪町では福祉タクシーの回数券、富士見町では商工会が「すずらん号」の回数券を交付し、返納後の足の確保に努めている。

「免許返納者に限ったサービスはない」とする茅野市は、生活支援を目指した公共交通の見直しで10月から福祉バス「ビーナちゃん」と同様な利用ができるバスが週1日から週2、3日に増えることを見据え「65歳以上の高齢者は上限300円で乗れるバスが増えるので免許返還の一助になれば」(市地域福祉推進課)とする。

「最近では、体も衰え運転するのも怖いと思うことがある。(回数券をもらい)バスでの生活も考えなければいけない」。諏訪市の85歳の男性は、行政サービスを頼りに返納を考え始めている。

一方で、岡谷市の76歳の男性は運転に自信がなくなったら返納するつもりとしつつも、「(家の近くは)バスが頻繁に通らないので、車がないと不便」と話し、返納後の「足」に対する不安をのぞかせる。茅野市の90歳の男性は「体が動くうちは乗りたい。まだ大丈夫」と話しながらも、「息子たちには運転は大丈夫かといつも心配されている」と複雑な心境を打ち明けた。

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