トライアスロン大会 エプソン新システム開発

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選手やスタッフが装着する小型発信機(今年6月に諏訪湖で撮影)

セイコーエプソン(諏訪市)は21日、諏訪地域で来年6月25日に開催予定の第1回スワコエイトピークストライアスロン大会に向けて、選手とスタッフの位置やコンディションを瞬時に把握できる「トラッキングシステム」を地元企業と開発したと発表した。茅野市のマリオローヤル会館でデモンストレーションを行い、初めて大会関係者や報道機関に披露。「安全安心な大会の実現とともに、地域や観光の活性化に役立ててもらえたら」と期待している。

同社は大会のオフィシャルスポンサー。トライアスロンはスイム(水泳)、バイク(自転車)、ランニングの3種目で競うスポーツで、「スワコエイトピークス―」は諏訪湖でスイム2キロ、八ケ岳山麓を走るバイク78キロ、諏訪湖周のラン20キロの計100キロで行う。選手1050人とボランティアを含む大会スタッフ1500人が参加予定だ。

一方、トライアスロンは競技会場が広範囲で、大会運営も通過タイムの計測にとどまっているため、競技中の安全対策が課題だった。大会を主催する諏訪湖周・八ケ岳山麓トライアスロン大会実行委員会はエプソンに技術支援を要請し、システム開発チームを組織。1年半前から独自システムの開発を進めていた。

システムは、消費電力が少なく遠距離電送が可能なLPWA通信技術を使い、選手やスタッフが装着する小型発信機を通じて、一人ひとりが「今どこにいて、どんなコンディションか」を瞬時に把握し、地図上にまとめて表示できる。腕時計などで培った高度なセンシング技術をエプソンが提供し、システムやアプリの開発をシスコア(諏訪市)、発信機の装着具を宮坂ゴム(茅野市)が製作。富士見町などの若手エンジニアもプロジェクトに参画した。

現在位置と速度などの運動情報を把握し、転倒や溺れ、不動などの異常が検知でき、選手がボタンを押せばSOS情報も発信される。選手の状態や競技の進行状況が「見える化」されることで、運営側は迅速な救助や交通規制の最適化、スタッフの連携強化、選手側はエリア単位で競技結果を知ることができる。蓄積される情報を活用すれば競技力の向上や健康づくり、年間成績を競うといった新たな展開も可能になるという。

デモンストレーションには県内外の選手約30人が協力し、発信機を装着して諏訪湖か ら八ケ岳山麓を自転車で走った。マリオローヤル会館には選手の位置や競技の進捗状況、SOSなど目的別のモニターが複数設置され、それぞれの動作を実際に確認。エプソンの開発担当者が行政や警察、報道関係者にシステムの仕組みを説明していた。

エプソンDX推進本部の津田敦也副本部長は「メインは安全安心な大会の実現ですが、スポーツツーリズムなど工夫次第で用途は広がる」と指摘。実行委の小針哲郎副事務局長は「スポーツイベントの未来を変え得る技術。地元の皆さんに安全安心な大会であることを知ってほしい。全国のトライアスロン大会に普及すれば」と述べた。

システムの初運用は来年6月の大会で、諏訪市の旧東バル跡地にモニタールームを設ける計画という。

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