昭和初期の諏訪地方ロケ 無声映画デジタル化

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無声映画の一場面(「復刻『弥次喜多』無声映画を見る会」提供)

江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」の主人公コンビ「弥次喜多」として知られる弥次郎兵衛と喜多八が、昭和初期の諏訪地方を舞台に騒動を繰り広げる無声喜劇映画のフィルムが、地元有志の手でデジタル化された。有志は「復刻『弥次喜多』無声映画を見る会」をつくり、来年2月に上映会を計画している。

フィルムは長年、酒醸造販売などの豊島屋(本社・岡谷市、林新一郎社長)資料館に眠っていた。3巻の35ミリフィルムから成る無声映画「夢の弥次喜多 善光寺詣篇 上諏訪・岡谷の巻」で、国の検閲印が押された台本の記述などから1934(昭和9)年の製作が分かる。製作者や出演俳優を特定する資料はない。

上諏訪と岡谷がロケ地となっており、上諏訪の温泉競馬場、料亭信濃、みそ蔵の亀源醸造など実在した娯楽施設や商店、現存する酒蔵など懐かしい諏訪の街並みや文化の映像が登場する。当時の記憶を伝える貴重な映像資料を今後も長く保存するため、林社長(73)ら有志が映像のデジタル化に取り組み、27分間に編集したDVDを作った。

DVDは岡谷市に寄贈したほか、上映会で無料放映する計画で、催しの実行組織として「復刻『弥次喜多』無声映画を見る会」を結成。会長に就いた林社長は「街並みが八十数年でいかに変わってしまったか。時の流れは『光陰矢の如し』だが、中身は非常に密度が濃い。その流れをぜひ見てほしい」としている。

「復刻『弥次喜多』無声映画を見る会」会長の林新一郎・豊島屋社長(左)とフィルムのデジタル化に取り組んだ小泉正夫さん

同会の一員で、フィルムのデジタル化に中心となり取り組んだアーカイブの専門家デジタル・アーキビストの小泉正夫さん(70)=諏訪市中洲=は「50年後、100年後にDVDを見つけた次の世代のためにまとめておく責務がある」。フィルムの状態が悪く、作業に苦労したといい「何とか形になって良かった」と無事の完成を喜んだ。

上映会は岡谷商工会議所で2月6日、下諏訪商工会議所で13日、諏訪商工会議所で20日。いずれも午後3時から。問い合わせは豊島屋総務内の同会事務局(電話0266・23・3515)へ。

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