2016年09月29日付

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筆者が小学生だったころは「交通戦争」の時代だった。1970(昭和45)年の交通事故による死者は全国で1万6765人。日清戦争の戦死者数(約1万7千人)を上回る勢いで死者が増えたため、交通戦争と呼ばれた。昨年の死者数4117人に比べれば約4倍である。危険な時代だったのだと改めて思う▼自動運転車の研究開発が進んでいる。自動車が完全に自動運転になったら、事故は大幅に減るだろうか。機械にはうっかりや、ぼんやりといったミスがない。夢のような話だが、いずれは実現するのだろう▼米国では、運転手がいない「無人タクシー」が現実味をおびてきたという。大手のフォードが2021年までに、ハンドルやペダルのない自動運転車を実用化する計画だ。無人タクシーでの利用を念頭に置いているという▼ただ、自動運転車は技術的な問題以外にも法規制などの課題は多く、「5年以内の実用化は楽観的」という指摘がある。先ごろ軽井沢町で行われた主要7カ国(G7)の交通相会合では、自動運転技術の実用化に協調して取り組むことが共同宣言に盛り込まれた▼将来は運転手のいないタクシーやバス、電車が当たり前になるのだろうか。何事も便利になればなるほど、「働く人間」がいらなくなる気がする。一方で、介護や建設など、人材が不足している分野もある。機械と人間の関係が変わっていくのは確かなようだ。

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