2021年12月4日付

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今年は12月2日まで、あしたからは新年―ということが明治5(1872)年に起きた。太陰暦から現在われわれが使っている太陽暦へと改められたためで、当時の人の感覚を想像すれば、きょうが正月2日である。西洋と統一を図るための改暦だが、1カ月ほど前に告知があったとはいえさぞ混乱したことだろう▼過去の弊紙を読んでいたら諏訪市出身の藤森三男慶応大学名誉教授の寄稿に、財政難の新政府が公務員の給与を1カ月分「踏み倒す必要があった」ことも理由だと説明があった。藤森さんは「何でも欧米並みの御一新という錦の御旗を使った巧妙な政治的術策」と記している▼桃の節句や七夕を1カ月遅れで行う地域があるのは改暦前の暦に寄せているからで、季節の違和感がないのは月遅れの方だ。それでも年中行事の多くが新暦に従う中、盂蘭盆だけは7月15日ではなく月遅れの8月15日に行うのが今でも一般的だ▼藤森さんによると東京では新暦7月15日をお盆としていた時期もあったが定着しなかった。地方出身者は8月15日に合わせて一斉に帰省してしまうから企業も夏休みになる。ご先祖さまも急に1カ月前倒しで帰ってこいと言われたら困るだろう▼現代でもDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめ何かと改革やアップデートが叫ばれるが、何が変わり何が残っていくだろうか。お盆だけは案外変わらない気がするが。

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