2021年12月5日付

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日本の総人口は約1億2614万人。昨年実施した国勢調査の確定値だ。前回2015年調査よりも約95万人減った。長野県の総人口は約204万人で前回調査よりも約5万人少ない▼生後8歳まで暮らした隣県の村の話。1955年に約5500人だった村の人口は現在約1050人。ダム建設に伴う住民の移住と主産業の林業不振が過疎化に拍車を掛けた。仕事が無ければ暮らせない。小学校の同級生は8人。村の保育士になった1人以外は村を出て町で暮らす▼住んでいた地区は46年前、約100人の住民がいたが今は約25人。保育園は廃園、小中学校は廃校、診療所や商店、ガソリンスタンドは無くなり、かろうじて郵便局が残る。高齢者はひと月に何度か来る行商から食品を買い、冷凍庫に保管し食べつなぐ▼約700年も続いた伝統の祭りは途絶え、住民参加による道の草刈り作業もできない。人の減少と同時に田畑が荒れて林と化す。共同生活ができない限界集落。その集落で最も若い男性(68)は「せずようにいかん」(どうにもならん)という。人が減る現実だ▼国勢調査によると、全国で人口が減った自治体は1419市町村で全体の82.5%を占める。人口5000人未満の町村は、前回調査の267から290町村に増えた。現状で地方の効果的な人口減少抑止策は見当たらない。今後、人口減による限界集落化は次第に身近になる。

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