受け継ぐ職人技おんべ作り教本 長田さん作成

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教本を手に「夫婦で息を合わせることも大事」と話す長田並喜さん、せつ子さん夫妻

おんべは木遣り衆の宝物。伝統の技術を残したい-。諏訪地方の名だたる「おんべ職人」に学び、前回2016年の諏訪大社御柱祭で”職人デビュー”した茅野市豊平の大工、長田並喜さん(71)が、知識や経験を元に「おんべ作り教本」を作成した。「おんべを作れる人や教えられる人が少なくなっている。教本にしたことで伝統の技術が後世に残ることを願う」と話している。

長田さんは仕事柄、かんなを使うおんべ作りに興味があったが「難しい」と聞かされ一歩が踏み出せずにいた。15年10月、御柱祭の伝統を受け継ぐ人々を取り上げた長野日報の特集「つなぐ御柱」の記事で、氏子でもあり40年にわたりおんべを作り続ける大工の石井粂雄さん(故人)=諏訪市=の言葉「後を継ぐ衆を育てたい。作り方を覚えたい人には教える。祭りを守ってほしい」で決意。石井さんは80歳近く体調を崩すも知識や技術を惜しみなく分け与えてくれた師匠だったという。

おんべの房をつくる1枚1枚のリボンの厚みは0.045~0.048ミリ。試行錯誤しながらも前回の御柱祭では3万枚(おんべ1本あたり約200枚)を引いた長田さん。どうにか一人立ちでき「今度は自分が伝える側」と、今年に入りおんべ作りを始めると同時に長野日報の紙面を通じて後継者を募るも思い人は現れなかった。8月、地元の伝統を写真で記録に残す活動をしている写真愛好家の花岡喜久雄さん=諏訪市=が新聞を見ていて連絡をくれ、協力を得て教本が実現した。

おんべ作りの命でもあるかんなの刃研ぎは、砥石メーカーに相談したりして研究した経緯があり、工程での使い分けや砥石自体の手入れについても詳しく紹介。トウヒの角材は引く前に水に漬けることや、リボンを真っすぐ平らに引くこつ、かんなの刃の調整、リボンの持ち手(妻せつ子さん)との呼吸、房のまとめ方、木札などの飾り付けなどを80枚近いカラー写真を用いて紹介している。

A4判、33ページ。写真用紙に印刷しクリアファイルに収めたものが原本。希望者にはカラープリントして提供する(コピー代実費)。

長田さんは「この本を見れば大体のことは分かる。将来、作ってくれる人がいたらうれしい。見学も歓迎」と話している。問い合わせは長田さん(電話090・3565・7909)へ。

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