県道岡谷茅野線でトラック通行常態化

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県道岡谷茅野線(通称・西街道)沿いに民家が並ぶ諏訪市湖南地区。トラックは道幅いっぱいに走行している

諏訪湖の西側を通る県道岡谷茅野線に交通が集中し、早朝や深夜に通過する大型トラックの騒音と振動に地域住民が悩まされている。特に、諏訪市湖南、豊田地区の通称・西街道(約2.6キロ)は道幅や歩道が狭く、2002~12年には高齢者が横断中にはねられて死亡する事故が6件発生。千葉県八街市で児童5人が死傷したトラック事故を受けて全国で対策が進む中、両地区の区長会やPTAなどが声を上げ、トラックの通過抑制を図る高速道路の料金値下げや交通規制を求めている。

■深夜と早朝多く県外車が目立つ

「トレーラータイプのトラックが通ると『ガシャン、ガシャン』と嫌な金属音がする。騒音と振動で夜中に起きることがあるんです」

湖南、豊田地区の県道沿線住民でつくる「西街道交通問題を考える会」の藤森和重会長(74)によると、トラックの通行は深夜と早朝に多く、県内のほか北陸や東海、北関東といった県外ナンバーが目立つ。輸送コストの抑制で一般道を利用していることもあってか、「生活道路が日本海と太平洋を結ぶバイパス代わりになっている」と嘆く。

トラックが増えたのは長野五輪があった20年余り前からという。岡谷市から茅野市に至る県道岡谷茅野線の拡幅が進み、並行道路の新川バイパスも開通。国道20号下諏訪岡谷バイパスや国道142号湖北トンネルもできた。地元の運送業者は迂回してくれる一方で、西街道に流入する車両は年々増加してきた。

諏訪署によると、県道岡谷茅野線では16~20年の5年間で226件の人身事故が発生し、このうち3件が死亡事故だった。今年7月には諏訪市中洲で横断中の高齢者が車にはねられる死亡事故も発生しており、重大な交通事故が多発している。

■高速道路誘導へ料金値下げ要望

地元では1997年に大型車向けの啓発活動を展開。2003年には沿線住民600人の署名をまとめ、05年と12年に道路改良や交通規制を求める要望を提出した。14年には、県道と新川バイパスが分岐する湖南神宮寺交差点の信号機が改良され、カラー舗装や案内標識も施された。茅野市側からバイパスへの右折を容易にし、西街道の交通量を抑える狙いだったが、直進するトラックは依然多い。

トラックの代替路として地元が期待するのが、国土交通省が事業化を目指す国道20号諏訪バイパス(諏訪市四賀~下諏訪町東町)だ。今回は、バイパス開通までの暫定措置として、長野道岡谷インターから中央道諏訪南インターまでの大型車の高速料金(1280円)を半額にする対応策を追加し、8月31日に県に要望した。

しかし、高速道路にトラックを誘導する対策について、中日本高速道路は「高速道路の料金は全国的に決められており、特定区間、特定車種の料金を半額にすることはできない」と素っ気ない。西街道の交通規制についても、諏訪署は「地元の合意、道路を交通する人たちの理解が必要になる。現地調査を踏まえ、慎重に検討したい」と語り、簡単ではないようだ。

■死亡事故が繰り返されないか心配

同署は昨年、死亡事故が起きた交差点の信号を歩車分離式に変更した。パトカーによる警戒や取り締まりを強化し、今月8日には地元関係者と啓発活動を展開する。米山哲史交通課長は「地元の皆さんと協力して、今できることをしたい」と話している。

抜本的な状況の改善が難しい中、藤森会長は「死亡事故が繰り返されないか心配だ。多くの人に西街道の交通安全を考えていただくことで、安全運転や交通量の削減につながれば」と願っている。

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