念願の植物標本目録完成 諏訪教育博物館

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諏訪教育博物館の標本室に整理保管されている植物標本と保管場所が確認できる目録を手にした白鳥さん(右)、武居さん(中)、杉山さん

諏訪教育博物館(諏訪市諏訪)の標本室に整理・保管されている植物標本2万6383点の所蔵場所と内容が一覧できる目録の上下巻が完成した。保管されている標本で最も古いものは1908(明治41)年に作成されており、今では採取が禁止されている高山植物なども確認できる。長年、諏訪教育会植物委員長を務めた故今井建樹さんから作成を託された教員たちが仕事の合間を縫って取り組み、約30年掛けてまとめた。

目録は同委員会の白鳥保美さん(63)=茅野市玉川、武居三男さん(68)=岡谷市山下町、杉山清さん(64)=下諏訪町湖畔町=らが中心となって作成した。書籍「諏訪の自然史植物編」(1981年刊)の編集の中心人物で、掲載内容の裏付けとなる標本を科別に整理した今井さんから「標本の目録をお前たちで作ってほしい」と頼まれて取り組んだ。

教員生活との両立は予想以上に時間の確保が難しかった。作業中には明治時代の08、09年の標本3084点が見つかった。今井さんから寄贈された2403点の確認も手掛けた。一時は目録の完成が見通せない気持ちにもなったが、定年退職などで時間に余裕が生まれたこの2年間で一気に作業を進めた。

目録の完成によって、目当ての標本の保管場所を見つける手掛かりができ、探しやすくなった。ただ、標本室の収蔵物や標本室自体を知らない人は少なくない。作成を通じ、1枚作るのに1週間近くの時間が掛かるとされる標本が大量に残されている価値の大きさを改めて実感した白鳥さんは「長い時間が掛かったが、無事に目録を完成させることができてホッとしている。新たな調査研究に役立ててもらえればうれしいし、目録の完成を機に貴重な標本に少しでも多くの人の目が向くようになればありがたい」と話した。A4判で上巻252ページ、下巻323ページ。

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