画家原田泰治さんの原点 油絵12点を初公開

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小松秀雄の指導を受けて出品した県展で初入選した「夏のガソリンスタンド」。当時を振り返る原田泰治さんと小松の長女小松好さん(右)

諏訪市在住の画家、原田泰治さん(81)の原点に触れる特別企画展「原田泰治の原点をさがして 油絵の世界」が8日、同市渋崎の原田泰治美術館で始まった。原田さんが中学~大学時代に描いた諏訪市の風景画など12点が初公開されたほか、原田少年が指導を仰いだ同市出身の画家、小松秀雄(1924~62年)の作品2点も展示されている。来年2月27日まで。

原田さんは、中学1年の時に幼少期を過ごした伊賀良村から諏訪市に戻り、上諏訪中に入った。絵を描くことが好きな少年だったが、美術の成績は「良くなかった」(原田さん)という。いとこが描いた油絵を見て一念発起し、自己流で油絵を描き始めた。

その後、教員をしながら絵を教えていた小松を訪ね、指導を仰ぐ。中学3年からの約1年間、自分の世界を創り出すことや、自然を捉えるために現場で写生をする大切さを学んだ。諏訪実業高校時代に出品した「夏のガソリンスタンド」(58年)は最年少で県展初入選を果たし、画家を志す自信と確信を育んでいく。

一方、小松も画業に専念する決意を固め、教員を退職。62年、パリで絵の研さんを積むため、渡航準備で宿泊していた都内の知人宅で火災に遭い、37歳の生涯を閉じる。

グラフィックデザイナー、素朴画家として独自の世界を確立した原田さん。少年期の油絵は「人に見せるようなものじゃない」と封印してきたが、油絵から出発した歩みの一端を知ってもらえたらと公開に踏み切り、恩師である小松の作品とともに紹介した。

企画展は「夏のガソリンスタンド」をはじめ、豊田小川や片倉館、並木通り、新小路、せっけん工場、大踏切など諏訪市内の町並みが数多く描かれている。第22回一水会展安井曾太郎奨励賞を受けた小松の大作「早春の八ケ岳」(60年)も鑑賞できる。

オープニングセレモニーで、原田さんは「小松先生は絵の原点を教えてくれた先生。油絵があるから今の僕がある。青春の歩みの一端を見ていただければ」とあいさつ。小松の長女小松好(このみ)さん(68)=同市小和田南=は「父と原田先生が師弟関係にあったことは初めて知りました。皆さんに思い出していただき、父も喜んでいると思う」と話していた。

10~19日は入館者にドリンク1杯を無料サービスする「冬のあったかドリンクキャンペーン」を行う。

午前9時~午後5時。月曜休館。入館料は大人840円、中高生410円、小学生200円、障がい者(大人)410円。

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