2021年12月11日付

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新月の夜に撮影したからとはいえ、写り込んでいる星の数には驚いた。天球にはこんなにもたくさんの星があったのか…。そして色。星はこんなにも多彩だったのか…。本紙12月1日付のラッピング紙面を飾った宮島敏さんの写真を見て、そう思った▼星の色として認識していたのは大まかに言って3色。赤い星、青い星、キラキラ瞬いている白い星だった。ところがどうだ。オレンジ色や黄色、緑色、紫色もある。光跡もサインペンで書いたような太いものから、針先でひっかいたような細いものまである。一つ一つが大きさも色も違って見えた▼タイトルは「剣と宙~雪の宝剣岳と星の日周運動」。地球の自転によって天体が地球の周りを回るように見える「見かけの運動」がよく分かる写真で、撮る人の感性と撮影技術、機材、気象条件がそろってこその一枚だろう。たくさんの光跡が壁をつくり、大きな煙突の底から北極星をのぞいているようだ▼もちろん普段見ている星は天球にある星のほんの一部にすぎないことは分かっている。街の明かりの中では、ごくわずかしか見えないのだろうとも思っていた▼ただ、新月の夜を選び、あえて厳冬期の中央アルプス千畳敷で三脚を立てる宮島さんを想像するとき、見えないと言っているだけで、わずかな光を放つ星たちを見ようとしてこなかった自分に気付く。本来の姿を知れば、星空環境の変化も分かる。

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