老松場古墳群の発掘調査を終了 伊那市教委

LINEで送る
Pocket

老松場古墳群の1号墳で確認された「粘土槨」

伊那市教育委員会は、同市東春近の「老松場古墳群」の発掘調査を終了することを決めた。これまで4次にわたる発掘調査で1号墳が前方後円墳であることが確認されたほか、築造年代が5世紀前半と特定され、「調査の目的を達成した」(笠原千俊教育長)と判断した。今後は文化財への指定を視野に入れつつ、地域の歴史的、文化的資産として活用していく方針だ。

老松場古墳群は7基の古墳からなり、このうち1号墳は当初、二つの円形の古墳がつながった双円墳とみられていた。しかし、地元の東春近小児童から「前方後円墳ではないか」との疑問が上がり、2015年に測量調査を行った結果、前方後円墳の可能性が高まった。これを受けて市教委は関西大学文学部考古学研究室に委託し17年度から3年計画で本格的な調査を実施。古墳の築造年代の特定に時間を要したため、今年度に第4次調査を行っていた。

市教委によると、これまでの調査で1号墳が前方後円墳であることや、その形状から大和政権とのつながり示す重要な古墳である可能性が判明。また、木棺の周りを粘土で覆った「粘土槨」の発見などにより築造年代を5世紀前半と特定。南信地方では最古の前方後円墳とされた。

8日の市議会12月定例会一般質問では宮島良夫氏が「副葬品の発掘も期待される。発掘説明会には多くの参加者が訪れ、関心も高い。これで調査を終えてしまうのか」と市教委の考えをただした。

笠原教育長は「1号墳が前方後円墳であることや築造年代を確認でき、調査の目的を達成した。調査は終了する」と説明した。その上で、発掘の成果については、歴史シンポジウムの開催や市ホームページへの掲載、小中学生対象の歴史教室、市民大学や公民館の講座などを通じて活用していく考えを示した。

宮島氏は地元の公園整備委員会からの意見として追加の調査や文化財への指定を求めた。笠原教育長は「調査は完結した」と改めて述べる一方、文化財への指定に向けて「これまでの調査結果をまとめ、文化財審議委員会に諮っていきたい。地域の歴史的、文化的資産として大事に活用していきたい」とした。

おすすめ情報

PAGE TOP