2021年12月14日付

LINEで送る
Pocket

対価の低さも背景の一つだ―。そんな声も後押しになったのか、辰野町が町消防団員の手当や報酬を引き上げる方針を固めた。人員不足に対応するため。来年度の改正になれば、25年ぶりになるという▼一般市民が非常勤地方公務員として消火活動や住民救助などに当たる消防団。人口減少や勤務形態の多様化などから、団員確保は全国的な課題となっている。1955年に全国で200万人近くいた団員は減少を続け、昨年は82万人を割り込んだ▼危機感を強める消防庁はこの春、出動1日当たり8000円、年額報酬3万6500円とする基準を全国の自治体に示した。現在の「対価」は全国平均で出動1日当たり2780~3090円、年額報酬は3万925円。消防庁の促しで待遇改善はほかの市町村にも広がりそうだが、適正な対価をどう考えるか。市町村や議会の判断が注目される▼8月、9月の大雨が記憶に新しいが、気候変動による災害の頻発で、消防団の出動回数は増えている。社会の高齢化に伴い、認知症の人など外出中に行方不明になってしまった人などの捜索機会が増しているとも聞く▼一般市民でありながら危険業務に従事している。課題が顕在化する中で、彼らの使命感やボランティア精神に頼り続けるには限界があるだろう。多くの首長が掲げる「安全・安心のまちづくり」を支える消防団の在り方を、広く考える機会にしたい。

おすすめ情報

PAGE TOP