2021年12月19日付

LINEで送る
Pocket

お母さんのお腹にいる時に分かった心臓病。産声を上げた女の子は生後10日目に受けた大手術を含め、これまでに計4回の手術を体験する。今は元気でスポーツもできるようになった。ただ通院と服薬は続ける必要があるという▼国税庁の「税についての作文」で入賞した宮田村宮田中学校3年生片桐萌々香さん(15)の作品。片桐さんは難病に助成する国の制度で手術を受けた経過を書き「私は税金に助けられていく」とつづる。税務署の1日署長として招かれた彼女が時折見せる笑顔を眺め、その税金の使われ方に納得した▼10月の衆院選当選後、1日しか勤務しない新人・元職議員に満額の100万円が支給された文書通信交通滞在費。「非常識」との批判を受け今国会での法改正が浮上したが、日割り支給のほか、使い道の公開義務をめぐり与野党合意が得られず、改正は見送りになりそうだ▼元大蔵官僚の志賀櫻氏は自著「タックス・イーター―消えていく税金」(岩波新書)で「日本の納税者は、税がどのように決められ、納めた税がどのように使われているのかをあまり知ろうとしない」と指摘する。要因に源泉徴収など納税者が煩雑な手続きをしなくても済む税制の特徴を挙げる▼先の10月分文通費と歳費を日割りで試算すると、約3億8000万円が浮く。難病の人を何人助けられるだろう。自戒の念を込めて税制にもっと関心を持ちたい。

おすすめ情報

PAGE TOP