「諏方講之式」を復元 仏法紹隆寺の岩崎住職

LINEで送る
Pocket

復元した「諏方講之式」を唱える仏法紹隆寺の岩崎宥全住職

諏訪市四賀の仏法紹隆寺の岩崎宥全住職らが19日、かつて諏訪大明神の功徳を褒めたたえる言葉として僧侶が唱え、明治維新後の神仏分離で唱えられることがなくなった諏訪地方固有の講式「諏方講之式」を復元したと発表した。講式は抑揚を付けて歌のように唱える言葉。来秋に予定している「諏訪神仏プロジェクト」の一環で、「神仏習合の響き」として150年ぶりに当時の音を復興させる取り組みだ。

講式は神仏習合の時代に各地に多くが存在し、法会などの儀式の際に神仏をたたえる役割を果たしていたという。諏方講之式の復元は、岩﨑住職が「かつてはお坊さんが神様を褒めたたえ、神様もお坊さんが唱える講式を耳にしていた当時の音の風景を、諏訪神仏プロジェクトに合わせてお唱えしたかった」と思い立ったのがきっかけとなった。

諏訪史料叢書に収録されている諏方講之式の写本「桃井本」を基に、今回は第五讃(番)まであるうちの第一讃を復元。返り点や送り仮名のない白本の読み下しを諏訪市教育委員会の嶋田彩乃さんが今年初めごろから進め、5月に終えて信州大学人文学部日本言語文化コースの渡邉匡一教授が監修した。

その後、当時の棒状に示された音符は残っていないため、岩﨑住職が音符を付ける作業の仮符割りを行い、声明(仏教音楽)に詳しい種智院大学の潮弘憲教授の監修を経て完了した。音符の復元は高野山に伝わる「明神講式」を参考に、音を諏方講之式に当てはめながら、「当時はこのように唱えられていたのではないか」と推測した。第一讃を唱える時間は20分ほどという。

岩崎住職、渡邉教授、嶋田さんの3人が同寺で報道発表し、復元した第一讃の一部を岩崎住職が披露。渡邉教授は「お寺が神様に向き合って、お付き合いするのはすてきなこと」と述べた。岩崎住職は「神社とお寺の新たな協力の仕方を模索して、一緒に手を携え、神様と仏様の力で未来を切り開いていけたら」と語った。嶋田さんは「(諏方講之式を)聞くことができて大変うれしい」と喜んだ。

来年1月10日に同寺で行われる諏訪大明神普賢菩薩新年大祈祷の際に唱える予定。9月30日には諏訪大社上社での神仏プロジェクトの奉告祭でも唱えることを計画している。今後は第五讃までの完全復元を目指す。

おすすめ情報

PAGE TOP