2021年12月26日付

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「人生の節目のイベント。何とか開いてあげたい」。新型コロナウイルスの影響で正月に延期された成人式を目前に控え、運営に携わる自治体の担当者がそうつぶやく。かつて経験したことがない状況下での式典。感染リスクを下げるためにも気苦労は多いようだ▼県内でも式典を延期していた市町村の多くが正月の開催を予定している。いずれも感染防止対策を第一に掲げ、マスクの着用や検温、手指の消毒、式典時間の短縮など取り得る対策を講じている▼友だちとの再会を喜んで記念写真を撮ったり、思い出話に花を咲かせたり。式典会場でおなじみの光景も「三密」回避の成人式では影を潜めそうだ。制約だらけの式典に危険を冒してまで参加する価値があるのか。社会的距離の確保が叫ばれる時代にあって、成人式を対面で開くことの意義は問うべきだろう▼大人の自覚を促す。そんな模範的な回答を求めるつもりはない。多くの新成人にとって旧友との再会こそが最大の参加目的。コロナ禍により都市部で暮らすメリットが失われつつある中、地元で頑張る若者の姿が都会に出た仲間の目にどう映るのか気になる▼民法改正による成人年齢の引き下げに伴い全国の自治体で成人式の在り方が再検討されている。せっかく始まった見直し。コロナ禍以前の暮らしには戻らないという認識に立ち、時代に即した式典に生まれ変わることを期待したい。

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