2022年1月3日付

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正月三が日もきょうまで。明日が仕事始めという方も多いだろう。旧年と新年という節目があるだけで、重苦しい感情が雲散霧消し、気持ちが改まるから不思議だ▼節目といえば寅年のことしは、7年目に一度巡ってくる諏訪大社式年造営御柱大祭。諏訪市の上社本宮では2日、本宮と前宮に曳き建てる御柱8本の担当地区を決める2月15日の抽籤式に向けて、各地区の「抽籤祈願」が始まった。いや応なく祭りの熱気は高まっていく▼かつて、下社山出しに参加した詩人の谷川俊太郎さんは「生きるとか死ぬとか、人間にとっての一番根本的な部分で触れ合っている祭りで、自然と人間が強く結びつき、自然と人間の生命力が触れ合っている」と御柱を活写した。文芸評論家の小林秀雄は里曳きを見て「諏訪には京都以上の文化がある」と語っている〈『黒田良夫著作集III』より〉▼血気盛んな若者たちはより重要な役割を担おうとし、地元の法被をまとい、それを名誉とする。普段は無名で地道な暮らしをしている彼らは、地域や神社の行事に顔を出して奉仕に励む。何回かの御柱祭を経ると曳行の中心を担う人物が選ばれ、その人間関係が地域を底支えする力にもなって「諏訪」を形作っていく▼数えで7年という周期は絶妙で、祭りの人脈が途切れそうで途切れない。コロナ下でも御柱は続く。諏訪の人々の結びつきも連綿と受け継がれていくはずである。

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