2022年1月5日付

LINEで送る
Pocket

年間を通して警戒が必要な自然災害。昨年の大みそかも県北部や新潟などで大雪となった。新たな年を迎え、大雨をはじめ激甚化する災害にどう対応するのかが引き続き課題になっている▼「荒ぶる自然災害は世界で続くだろう。一人ひとりが思い合う心が大切」。東京大学大学院情報学環特任教授の片田敏孝さんは先月茅野市で開かれた講演会で、人を思いやる気持ちが人的被害を減らす原動力になると訴えた▼片田さんによると、2018年7月の西日本豪雨以降、防災の考え方が変化したという。行政主導で避難を呼び掛けて、住民がそれに応じるのでは間に合わない。自分の命は自分で守り、高齢者の中でも健康な人は地域で守るといった役割分担が重要で、自ら逃げることが困難な寝たきりの人や重い障がいのある人は行政が責任を持って対応すべきと強調した▼東日本大震災の際に岩手県釜石市の小中学生の多くは津波から逃れることができた。片田さんが取り組んだ防災教育が実を結んだとされるが、片田さんは「自分だけでやったことではない」と指摘。孫を思う祖父母の忠言などさまざまな場面で防災意識が養われたと述べていた▼昨年8月の岡谷市での土石流災害から4カ月余が経過し、9月に茅野市で発生した土石流からは5日で4カ月。教訓を引き継ぐとともに、予期しない災害は起き得ることを前提にした未然防止策が求められる。

おすすめ情報

PAGE TOP