「先輩に学ぶ」出版 穴山歴史研究会

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「先輩に学ぶ」を出版した穴山歴史研究会の皆さん

茅野市玉川穴山区の有志でつくる穴山歴史研究会(伊藤博夫代表)は、大正末から昭和の大変な時代を生きてきた地元の人たちに聞いた地域の歴史や文化に関わる貴重な体験をまとめた「先輩に学ぶ」を出版した(長野日報販売編集協力)。元教員の伊藤代表(90)は「足掛け13年。将来の歴史や文化を考えるための有力な示唆を与えてくれるものと確信。後世まで読み継いでもらいたい」と願う。

同会は1990年に発足し会員制で郷土史家の話を聞くなどした。2001年頃から伊藤代表が引き継ぎ、主宰、責任者として運営。いつでも誰でも参加できる形を取り、月1回ほど集まり同区に伝わる史料や「語り部文六覚書」を読んだり、先輩の話を聞いたりして学ぶ。先輩の話を聞くことは、語れる人が減っていく中で急を要する課題で、伊藤代表が例会や訪問での聞き取りを録音したものを書き起こし、半年がかりで編集出版に至る。

子どもの頃の思い出、談話会(青年会)、浅草でげたの鼻緒問屋経営、製糸業、鍛冶屋、かまど雛(びな)製作、戦争(軍隊・捕虜生活・学徒勤労動員)、女性が語る戦中戦後・ボランティア、御柱祭、天神講、田んぼスケート、地球温暖化問題など多岐にわたる内容。88歳以上の23人に聞いた。

男性の多くは命を懸けた戦争体験を克明に紹介。長田貞良さん(99)は高田連隊に入営し戦地(中国)へ赴いた。厳しい訓練や突然の戦闘、討伐を続ける中で、親しい友の戦死に「切なくてたまらない。気がおかしくなり、敵とみれば殺したくなる。人間が人間でなくなる」などとつづり、戦争の悲惨さや平和の尊さも語っている。小林岩作さん(1920~2012年)は「穴山は昔から経済・文化の中心地」とし、紫紺屋、桶屋、呉服屋、銭湯、指物師、繭蔵、新聞記者、眼科医、タクシー業、日本画家の家などがあったことも記している。

B5判、139ページ。2段組の読み応え。伊藤代表は「家族にも言ってないという話もあり貴い記録となった」と話す。160冊発行し関係者らに配布。若干余裕があり興味のある人に提供する。問い合わせは伊藤代表(電話0266・79・3488)へ。

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