2022年1月8日付

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人間の能力はすごいと思うときがある。例えば朝日を浴びたアスファルト舗装の道路が光っていれば、気を付けないと滑るかも…と思う。見ることと同時に、表面の状態をなんとなく感じとっている▼まるで触れているかのように霜の状態や氷の表面の滑りやすさを察知するわけだから、視覚だけでなく、体の中にあるさまざまな感覚が同時に作用しているのかもしれない。それは学びに基づいているのか、あるいは一度転んで痛い思いをしたことがどこかに刻み込まれているからなのか▼建設業界で活躍するコンクリート診断士に打音調査について聞いたことがある。構造物に使われているコンクリートの劣化の状態の診断にはセンサーも活用するが、最終的な判断は調べる人の感性によるところが大きいという▼同じ橋のコンクリートでも日によって音が違うそうだ。傷みが進めば音が変わり、前日いい音を出した橋がボソボソ鳴るようになることもあるらしい。知識と技術、経験があってこそできる診断で、音を聴くだけでなく、目視で分かることや道具を通して手に伝わってくる感覚も含めて判断材料にしていると聞いた▼持っている感覚が交わりながら作用しているとすれば、見ることや聴くことは同時に触れることにもなる。路面状況を瞬時に判断しなければならない車の運転など、このレベルまで自動化するのは難しいのではないかと思えてくる。

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