2022年1月9日付

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毎年のことだが、新年早々悲しい事故のニュースを目にする。餅をのどに詰まらせた高齢者の窒息死。猛威を振るうウイルスの脅威に一丸となって立ち向かう世の中であっても回避できないリスクなのだろうか▼厚生労働省の人口動態調査を基にした消費者庁の分析によると、餅による窒息事故で死亡した高齢者の数は2018年が363人、19年が298人。このうち約43%の事故が1月に発生し、正月三が日に多発しているという▼歯の機能や飲み込む力が衰えた高齢者にとって、餅は窒息リスクの高い食べ物。国は餅を小さく切ったり、のどを潤してから食べるように呼び掛けている。そんな当たり前の注意喚起が必要な状況にあることを私たちも認識すべきだ▼特定の時期に頻発する死亡事故を季節感を表わす「風物詩」と掛けて「風物死」と表現する人がいる。大雨の日に田んぼの様子を見に行って行方不明になったり、軽装で雪山に入って遭難するなど季節ごとに絶たない死亡事故をやゆした意味合いがある。いずれも回避できた事故。不謹慎かもしれないが、悲哀とともに滑稽さを感じてしまう▼正月に見た映画の登場人物は軽率な言動から、その後の死を容易に想像することができた。死を予感させる伏線があっての展開。私たちの日常生活にも死を招くリスクは潜んでいる。伏線はないだろうか。いま一度自分のストーリーを点検したい。

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