ササユリ増殖に協力 上農高バイテク班

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上伊那農業高校(南箕輪村)のバイテク班が、地元の里山愛好者のグループ「経ケ岳友の会」の活動に協力し、同村の経ケ岳周辺に自生するササユリを増やす取り組みを行っている。生徒たちは保護のための移植作業だけでなく、鱗片培養や無菌播種による無菌個体の作出にも着手。「学校で学んだ技術が誰かのために役立つなら」と実験を始めている。

活動は2020年秋に始まり、2シーズン目。生徒たちは21年も10月末に標高約2000メートルの稜線まで登り、登山道上に生えていて、登山者に踏まれる恐れがある株を、友の会のメンバーと一緒に近くの適地に植え替えた。

生徒たちは人工的にササユリを増やして山にかえす取り組みも始めた。結実した株の「さや」から取り出した種子を無菌播種する実験を行い、許可を得て学校に持ち帰った球根1個を使って鱗片培養を試みている。

バイテク班は県のアツモリソウ保護回復事業に参画し、絶滅の危機にあるアツモリソウの増殖のために美ケ原個体群の無菌培養苗を育成している。ササユリの増殖は活動のもう一つの柱となりつつあり、生徒たちも意欲的に取り組んでいる。3年生で班長の生徒(18)は「ササユリの里をつくる活動をすることが地域貢献につながる。経ケ岳にササユリをいっぱい咲かせることができるように、活動を後輩たちに引き継ぎたい」と話す。

友の会メンバーの伊藤洋一さん(69)によると、荒廃していた登山道を復活させようと半世紀ぶりにクマザサを刈り進めた場所でササユリの群生が確認された。登山道上にも何株も芽を出していたため、許可を得て移植を行うことにしたという。

「目標は1万本。県内一のササユリの名所にしたい」と伊藤さん。「山ではおそらく開花までに10年、20年かかる。上農生のバイテク技術で短縮できるかもしれない」と期待した。

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