2022年1月16日付

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先週、諏訪市の成人式を取材した。久しぶりの再会を喜び、近況を誇らしげに語り合う若者たち。夢がかなうと信じて疑わない彼らの勢いに気おされながら、この場にいない新成人の姿を想像していた▼出席できないのか、しないのか。新型コロナの急拡大を受けて帰省をあきらめた人もいるだろう。病院や介護施設、飲食店や宿泊施設、工場や工事現場で働く人たち。受験生やスポーツ選手、家族の介護を続けている人。誰かのために生きている人が多いのではないか▼諏訪市の成人式で「二十歳の決意」を発表したK君。諏訪地方のホテルの厨房で働く彼の夢は、30代までに料理長になること。「料理好きの母親に格好良いところを見せるために頑張る」と、少し照れたような表情で語っていた▼30年近く前、筆者もK君と同じ夢を抱いて辰野町の成人式に出席した。ただ、当方はすでに挫折し、自堕落な生活に浸っていた。情けなくて誰にも会いたくなかったが、中学時代の生徒会長があいさつをするという決まりがあった。目標を見失い、語るべき夢もないから、認知症になった祖母に振り回される暮らしを伝えた▼夢がかなう保証はないが、挑戦するのが若さだろう。思い通りにならないことを誰かのせいにして生きるか、この社会で自分にできることを探し続けるか。そこが肝心だ。料理長を目指すK君。格好悪くてもいいからお母さんを大切にね。

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