農業用ため池2カ所廃止 伊那市

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埋め立て工事が行われる伊那市西箕輪羽広のため池

伊那市は、使われなくなった市内の農業用ため池2カ所を廃止する。ともに決壊した場合の浸水区域に人家などがあり、人的被害を与えるおそれがある「防災重点ため池」で、大雨などによる決壊を防ぐため、池を埋め立てる工事を行う。近く着工し、3月下旬の完成を目指す。

ため池は降水量が少ない地域などで農業用水を確保するため人工的に造成された池。農林水産省によると、全国に約16万カ所あるとされる。2018年7月の西日本豪雨ではため池が決壊し被害が発生。農家の減少や高齢化などから管理が不十分なため池が増え、適正な管理や防災対策が課題とされている。

このため、農水省は18年11月、都道府県が防災重点ため池を選定する際の新たな基準を作成。「ため池から100メートル未満の浸水区域内に家屋、公共施設等があるもの」などの具体的な基準を示した。19年7月にはため池管理保全法を施行。自治体による管理強化などを打ち出した。

市耕地林務課によると、市内で防災重点ため池に選定されているため池は27カ所。このうち、今回廃止するのは、ともに西箕輪羽広の大堤と北割山崎の2カ所のため池。大堤は満水面積2300平方メートル、計画貯水量5000立方メートル、北割山崎は満水面積1000平方メートル、計画貯水量1300立方メートル。いずれも現在は使われていないという。

工事では、池の堤防をならして埋め戻したり、水路を改修したりする計画。ため池の防災工事を推進するため、国による財政支援などを盛り込み、20年6月に成立したため池工事特措法に基づく国の補助を受けて実施する。総事業費は約2000万円。

同課は「今後も財政や現場の状況などを踏まえて対応していく」としている。

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