2016年10月04日付

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文化庁がこのほど発表した「国語に関する世論調査」結果によると、「見れる」のように、本来の言葉から「ら」を省く「ら抜き言葉」を使う人が増えているという▼16歳以上の約2000人に「食べられない」「来られる」「考えられない」「出られる」の五つと、その「ら抜き言葉」のどちらを普段使っているのか聞いたところ、「見られた」が44・6%、「見れた」は48・4%。「出られる?」44・3%、「出れる?」45・1%。この二つが本来の使い方よりも多かった▼言葉に対する感覚も興味深い。例えば「素晴らしさに鳥肌が立つ」と「恐ろしさに鳥肌が立つ」。2001年と比べ、「素晴らしさ」を使う割合が12ポイント増え、本来の意味の「恐ろしさ」を使う割合は18ポイント減少した。スポーツ選手たちが殊勲のインタビューで「鳥肌が立ちました」と答える場面も増えた気がする▼言葉は、使い方が多様化し、時代によって変化してきている。「雪辱」を意味する「リベンジ」も、1999年に新語・流行語大賞に選ばれてから、徐々に定着。今ではすっかり市民権を得て、今回の調査では使用頻度も「雪辱」を40ポイント上回った▼日本語の言い回しは、語源や漢字の意味などから成り立っている物が多い。表現が多様化するのは面白いが、本来の意味とは違う誤った表現が徐々に定着していくのは看過できない。普段使っている言葉を見つめ直したい。

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