2016年10月05日付

LINEで送る
Pocket

そこを見れば、その地域や家庭がわかると言われるトイレ。今やどこもが「おもてなし」をアピールする観光地にあっても、その思いの深度が試される場にもなっている。とかく名物や名所の陰に隠れてしまってはいるが、観光振興を語る上で欠かせない存在だ▼こんな経験はないだろうか。感動的な景勝、魅惑のみやげ物、垂涎の名物料理に日常をしばし忘れていたものの、突如思い出したようにやってくる尿意や便意。しかも近くには気軽に入れそうなトイレが見当たらない。もう観光どころではない▼よく見かけるのは簡易型トイレだが、観光客の大半を占める女性らの受け止めはいかばかりだろうか。ある調査では、どんなにすばらしい観光地も、トイレが不快だと全て台無し―と感じる人が多いという。「あればよい」というものでもないらしい▼長野県は「観光立県として快適なトイレがおもてなし度アップの第一歩」と2014~15年度「信州まごころトイレ」の認定事業を実施。清潔で明るく、誰もが快適に使える県内54カ所を選んだ。今後も認定に向け募集するという▼人口減少社会を迎え、いずこも地域外から人や収入を求める「移出産業」への関心が高く、中でも観光産業への注目度はことさら高い。美しい風景、うまい料理、快いサービスとともに、快適で安心なトイレを同一線上に捉えることから、将来の地域振興も見えてきそうだ。

おすすめ情報

PAGE TOP