2022年1月28日付

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香川県高松市の畑で年間に作る野菜は約300種類。年中無休で収穫し、地元の農産物直売所と都会のホテルやレストラン、朝市に出荷する。わずか80アールの畑で年間約3000万円を売り上げる▼伊那市長谷の「南アルプス山麓地域振興プロジェクト推進協議会」が主催した講演会で農業を営む中村敏樹さん(65)が語った。中村さんは上田市の米農家に生まれ、香川大学を卒業後、香川で結婚。農業を始めた▼「農業はなぜ儲からないのか」。真剣に考える。そして「自分の作った作物に自分で値段が付けられないところだ」と気付く。一般に作物の価格は市場相場に左右され、豊作なら安値、品薄なら高値になる。相場に経費は反映されない。中村さんは「自分で決めた価格で売る」と決意する。市場出荷をやめ、多品目栽培に替えた▼例えばレタスは1玉で売らず10種類の葉を育った順に摘んで混ぜて売る。その「レタスブーケ」を見て顧客の購買意欲は高まる。トマトやナスも色が違う数種類を混ぜて袋詰めし、見た目に気を配ると売れた▼個人販売ではいわゆる規格外の無駄が出ず、野菜は生産者の工夫や売り方次第で完売するという。乾燥や酢漬けなどの加工食品も販売方法の一つだ。「自分が決めた値段で売るには、お客様が納得する付加価値が必要。珍しい野菜は食べ方を説明すると売れます」。終始、感心の講演会。何かの参考になれば…。

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