諏訪バイパス 諏訪市長下諏訪町長知事に意見書

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金子ゆかり諏訪市長と宮坂徹下諏訪町長は27日、国土交通省が事業化を目指す国道20号諏訪バイパス未着手区間(諏訪市四賀―下諏訪町東町、10.3キロ)の環境影響評価準備書と都市計画道路の変更案に対する意見をまとめ、阿部守一知事に提出した。ともに諏訪バイパスの早期整備を求める内容で、地下水や温泉への影響、活断層に対する不安の声があることにも触れ、十分な調査と情報提供、地域住民への説明を要請した。市長意見などを踏まえた知事の意見は、4月1日の期限に向けて年度内にまとめる。

両市町とも都市計画道路の変更案には「異存なし」とした。環境影響評価準備書に対する意見は、全体的事項と個別的事項の2部構成でまとめ、賛成と懸念双方の各種団体、個人の意見を盛り込んだ。下諏訪町は建設促進期成同盟会の要望も添付。個別的事項は大気と騒音、振動、水質、水象、地形・地質、日照阻害や生態系など約10項目に対する意見を明記している。

事業の必要性については「地域一帯の利便性や速達性の向上、災害に備えた交通ネットワークの多重化、交通の円滑化、交通安全の確保、地域産業への波及効果」(諏訪市)を挙げ、「早期の整備が求められている」(下諏訪町)とした。

地下水や湧水、温泉に関しては、諏訪市がルート沿いに加え、下横河川や福沢川を含めた広い範囲の調査を求めた。下諏訪町は影響範囲とする1キロ以内の全事業者を対象にした水利用の実態調査と工事に伴う事後調査、環境保全措置の明示を要請した。

両市町は過去に計画地付近のトンネル掘削で起きた出水事故に触れ、入念な調査と対策を要望。当時使用した凝固剤で二次被害が起きていることにも言及し、細心の注意を促した。国土地理院の活断層図でルート付近に新たな推定活断層が確認されたことも記載し、土砂災害や地盤沈下を含めて万全な措置を訴えた。

下諏訪町は慈雲寺の天桂松や諏訪大社秋宮・春宮社叢への影響回避を求めた。工事や補償に不安を抱える住民も多いとして、諏訪市は理解が得られる情報提供と丁寧な説明を促している。平易な言葉での説明も依頼した。

取材に対し、宮坂町長は「町としては早期の整備を望むが、推進のみでなく、住民の不安や心配も盛り込んだ」と語った。金子市長は「国道バイパスは半世紀をかけた大事業。心配の声に最大の配慮をし、最新の技術で十分な対策をして進めてほしい。課題をクリアして一日も早く目的が達せられるよう一緒に取り組んでいく」と述べた。

知事意見は今後、市長・町長意見と県環境影響評価技術委員会の意見、これまでの住民意見を踏まえてまとめる。その後、評価書が作成され、環境相と国交相が意見を述べる。評価書の公告・縦覧は、県都市計画審議会を経て都市計画決定の告示と同時に行われる予定だ。ここまできて、ようやく事業着手の環境が整うことになる。

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