2022年2月5日付

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冬のとある寒い日の朝、出勤前に車に乗り込み、エンジンをかけてしばらく車内を温めていた。車を動かす前、一息つこうと車内に放置していたペットボトル飲料に手を伸ばして一口飲むと、中の飲料が一気に凍り付いて驚いた▼0度以下に冷やした水に刺激を与えると一瞬で凍る「スナップフリーズ(瞬間冷凍)」という現象だ。通常、水は周辺温度が0度に達すると結晶化して氷になり始めるのだが、氷点下でも液体の状態を保持する「過冷却水」は、ちょっとした刺激で一気に氷に変わる。図らずも朝から科学の知識を頭の中から引っ張り出すことになった▼6、7年前になるだろうか。原村で氷点下18度ほどにまで冷え込んだ朝があった。まさに身を切る寒さだったのだが、太陽の光を浴びた空気はキラキラと輝いて見えた。あれは空気中の水蒸気が細かい氷の結晶になって漂う「ダイヤモンドダスト」だったのだろう▼考えてみれば、われわれの日常は自然現象にあふれている。気にも留めていないが雨や雪、風もすべてが自然現象なのだ。例えビルが立ち並ぶ都会の中にあっても、自然現象は常に身の回りで起きている▼科学技術が発達した現代でも地震や台風、噴火、津波などの自然現象には勝つことができないし勝てる気すらしない。自然から大きな恩恵を受けながらも軽視し続ける人類が、やがて大きなしっぺ返しを食らわぬことを願うのみだ。

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