伊那市内の自主防災組織 行動計画の作成進む

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竜東地域の区長を対象にした研修会で話し合う参加者ら=1月20日、伊那市の福祉まちづくりセンター

伊那市内の区や常会などの地域単位でつくる自主防災組織が、災害時を想定した行動計画の作成を進めている。市は2018年度から、市民主体による「災害時住民支え合いマップ」「地区防災計画」「地域版タイムライン」の作成を本格的に呼び掛けてきた。現在、市内89区にある組織のうち約7割が、いずれかの事業を導入。ほかにも、以前から同様の取り組みを実施、あるいは既に検討段階の組織もあり、住民間の防災意識が高まりつつある。

災害時の「逃げ遅れゼロ」を掲げる市は、住民自身が防災計画に携わることで、実効性の向上や意識付けを目指す。地域により規模や課題が異なるため、実情に沿った作成を重視。防災を通し、日ごろの人間関係の構築も図る。

支え合いマップは、災害時に手助けが必要な人、支援できる人をあらかじめ確認しておくもので、市内186の自主防災組織のうち約140の組織が作成した。内容の更新にも取り組んでいる。

地区防災計画は、高遠の山室区と藤澤区台殿、富県の貝沼区が作成。緊急時の避難先や声を掛ける家、準備すべき物資など、必要な情報を抽出してまとめた。

タイムラインは、東春近の10区、中央区、御園区、沢渡区が作った。注意報や警報の度合いに応じ、「いつ」「誰が」「何をする」という行動基準を決め、迅速な判断や協力体制づくりにつなげる。

市も「防災おでかけ講座」などの勉強会を随時開き、計画作りを支援している。先月20日には、竜東地域7区の区長を対象にした研修会を、市社会福祉協議会と協力して実施。平時と災害時の地域課題を挙げ、要配慮者などの立場になって意見を交わした。

計画の作成に取り組む上新田区の北原和之区長は「こうした話し合いを何度も重ねることが大事。住民の意識を高め、計画作りを進めたい」。町内会別のタイムラインを作った中央区では、情報共有にインターネット交流サイト(SNS)も導入したといい、登内宏区長は「今後は、組単位の広がりをつくることが課題」と話していた。

各組織の活動は、行政が集める情報の精度向上にもつながる。市の危機管理課は「防災は『地域づくり』。ちょっとした課題を片付けるだけでも、マニュアルができる」としていた。

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