2022年2月16日付

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トイレットペーパーがいっとき店頭から消えたのは2年前。新型コロナウイルスの感染拡大で原料輸入が滞り、品不足になる―とのうわさに消費者が過剰な購入に走った。自分を守りたいのは万民の心理。たとえ手を伸ばした品が最後の一個だったとしても▼原油や原材料費の高騰、資材不足はより悪化している。買い備えるなら早いうちに―とも思える状況だが、人心とは不思議なもので市場は穏やか。いや、買い占めどころか商店の半数以上で消費が回復できないとの調査結果もあり、低調だ▼不安にあおられて半ばパニックになったかつての反省が生きたのだろうか。むしろ先行き不安が強く、うかつに財布のひもを解けない自衛の表れとみるべきかも。あらゆる品物が値上がりして備蓄用にまで手を伸ばす余裕がないのも庶民の本音▼「3だけ主義」との言葉がある。今だけ・金だけ・自分だけ(よければいい)という利己的な考え方で近頃、その風潮が強まったと嘆きの声を聞く。個人も企業も感染症から、不安定な社会情勢からわが身を守るのが精いっぱい、という状況が拍車をかけていそうだ▼残念な気持ちを抱きつつ、街頭で燃料高騰への思いを聞いた。市民皆から返ってきた答えは意想外。「スタンドも収益が落ちて大変な思いをしているだろう」と売り手を思いやる言葉だった。この地域にはまだまだ支え合いの温かみがあふれている。

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